report |
公園や広場、都市景観をデザインするランドスケープアーキテクトである石川初さんは、GPSの軌跡で絵を描く「地上絵師」でもあります。絵を描くという行為が、身体を動かしてメディアに視覚的な記録を残すということなら、石川さんはGPS+PCという現代の筆で、自らが移動することでフィールドに絵を描くと言えるでしょう。もちろん彼の描いたラインは現実世界のフィールドでは見えません。しかし私たちの意識はPCモニターに示された「地上絵」から、すぐさま現実世界に(そしてそこを歩いた石川さんに)向かいます。こんなことが起こるのは、「地上絵」を描くことが、“私たちがまさにそこに生きているフィールドを神の視点から切り取る装置=地図”を作る行為そのものだからなのでしょう。一見チープな彼の「地上絵」は壮大なアプローチ。我々に地図の本質的なことを気付かせてくれます。
知的面白さで溢れんばかりの石川さんのトークは、わかりやすく現代の地図メディアの可能性を示してくれました。後日、石川さんのblogを拝見すると、当日のトークが受けなくて惨敗との書き込みがありましたが、聞き手はみんな口の端でニヤリとしていたに違いありません。
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ホスト せんだいメディアテーク 佐藤佳紀 | ||
fromカフェ研 |
「レクチャー」は、じっと座ってお話を聞かねばならない・・・そんな偏見を今回のゲスト石川さんは吹き飛ばしてくれました。「東京はよく知っているけれど、仙台はアウェー」と前置きをしつつも、ユーモアあふれる話に会場は始終笑ってばかり。誰もがのどがかわいていたことでしょう。
終了後も、参加者はコーヒー片手に石川さんを囲んで談笑。返されたカップホルダーに残った温もりから、みなさんの気持ちも温まったのではないかと感じました。
おいしい食べものがあるところ、そして、おもしろい話のあるところに、人って集まってくるものですね。
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20081221 スタジオ・レクチャーvol.06
20081221 スタジオ・レクチャーvol.06
ホスト | せんだいメディアテーク | |
ゲスト | 石川 初(ランドスケープ・アーキテクト) | |
カフェの内容 | ランドスケープ・アーキテクトで地上絵師の石川初さんをゲストにお迎えし、「地図を見る目」をテーマにお話しいただきます。「ランドスケープ・アーキテクト」とは、広い自然や公園、環境保全や都市景観などデザインをする仕事です。石川さんはその仕事とともに、「地図」にも深い造詣のある方で、今や携帯電話が地図になる時代における新しい地図の可能性とおもしろさを追求するさまざまな活動をしています。それにしても「地上絵師」とは? | |
開催日時 |
2008年12月21日(日)14:00−16:00
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参加料 500円(飲み物つき)定員 30名(要事前申し込み) | ||
20081026 スタジオ・レクチャーvol.04
report |
いつのころからかよく聞くようになった「プロデューサー」という肩書き。とはいえ、アーティストやイベントの影に隠れて本当のところはよくわからない、偉そうな人?というくらい。ましてや映画の世界では「監督」や「役者」が先に立って、プロデューサーの名前をよく見ている人はあまりいないでしょう。今回のゲストである天野眞弓さんは、そんな映画プロデューサーのなかでも特に表舞台には出てこない人のひとりです。
PFFスカラシップという、新人監督の初商業作品をプロデュースし続けている天野さんは、これまで、才能あふれる監督たちのデビュー作に携わる仕事として黒子に徹してきたとのことで、今回はじめてその仕事の裏側にふれるにあたり、ひとつひとつのステップについて言葉を選びながらお話ししてくださいました。監督とはいってもプロのスタッフと仕事をするのははじめての彼/彼女らと一緒になって脚本を考え、決して十分ではない予算のなかで撮影現場に立ち会う様子は、新しい才能に伴走する人としてのプロデューサーの姿を想像させました。
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ホスト せんだいメディアテーク 小川直人 | ||
fromカフェ研 | 力強いコク、かろやかなベルベット、ほのかな酸味、いずれもスタジオ・レクチャーで提供されたコーヒーの味を表現した言葉です。コーヒーと言っても千差万別、様々な個性を持っています。「プロデューサーとして監督の個性を殺さないようにしている」とは、今回のレクチャーゲスト、天野さんの言葉です。天野さんは監督の個性を引き出すために、じっくりと監督と向き合い、対話をして作品を一緒につくっていきます。個性豊かなコーヒーの香に包まれながら、天野さんの映画作りに対する強い気持ちを感じられるカフェでした。 | |
20081026 スタジオ・レクチャーvol.04
ホスト | せんだいメディアテーク | |
ゲスト | 天野 眞弓(PFFスカラシッププロデューサー) | |
カフェの内容 |
今年で30回目を迎え、仙台での開催も8回目となるぴあフィルムフェスティバル(PFF)。
若手映画作家の登竜門として確固たる地位を築いているこの映画祭には、才能ある新しい作家と映画をつくる「PFFスカラシップ」があります。
今回は、そのプロデューサーを迎え、若く才能ある監督たちのデビュー作を支え続けるという、映画プロデューサーのなかでも類をみない仕事の現場についてお話しいただきます。
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開催日時 |
2008年10月26日(日)14:00−16:00
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参加料 500円(飲み物つき)定員 30名 |