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micafe第3回は、大阪大学大学院工学研究科の鈴木毅さんをお招きして、都市空間における人の「居方(いかた)」についてお話頂きました。最初に見せて下さったのは、ご自身で撮影されたたくさんの写真やビデオでした。世界中の公園や都市空間、建築物のなかに様々に「居る」人々。その居方は、国により、文化により、そして空間により、それぞれに異なります。また、環境にぴったりと寄り添うように居る人々は、それ自体が環境の一部として認識され、見せて頂いた写真はどれもそれ自体が一つの絵のような完成した空間として映し出されていました。次に、鈴木さんは知覚心理学者ギブゾンのアフォーダンス理論から、行動や視覚の変化による自己と建築物の関係性の変化について、「手応え」という言葉を用いてわかりやすくご説明下さいました。そして、それと同様、ある空間における自己と他者との関係についても、他者の「居方」、またそれを認知することが、自己の「居方」や環境そのものに対する認知に関わってくるのだとお話下さいました。その後、参加者は、鈴木さんのお話をもとに、各テーブルごとに熱い議論を交わしました。普段何気なくとっている行動やふるまいは、実はその空間や環境と切り離して考えることができないこと、都市や建築はそこに居る人々との相互作用により認識されること、多くの気づきと学びを頂いた数時間でした。 |