20080615 タイポグラフィ・カフェ

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カフェ名物は「話の濃さ」。
街中のカフェであれば、珈琲の味、店の雰囲気、音楽、立地などに重きを置くのですが、このカフェの特徴として珈琲一杯の濃さよりもゲストの方のお話しの濃さを好む傾向があります。
今回のゲスト、デザイナーの小泉均氏は活版に魅了され続け、すでに30有余年。メディアテークの地下に鎮座する活版設備(印刷機・活字等)を駆使するワークショップなど活版活動に多大な指導と影響を与え続けている方であり、記念すべき第1回目のゲストとしてこれ以上、ふさわしい人物はいないのではないかとお招きした次第です。
小さな金属の文字から広がる無限の楽しさや深さがトークの中で次々に語られ、まるで万華鏡をのぞいているような気持ちに。単に紙の上に印刷するだけの技術に留まらず、活字の美しさ、仕組み、歴史などを知る楽しさが充分、お客さまに伝わったのではないかと思います。
お客さまに飲んでいただいたエスプレッソに負けない濃厚トークのひととき。今後もこのカフェの「美味しい時間」に期待しています。
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fromカフェ研 1杯のカフェを求め立ち寄った店先で、偶然居合わせた客たちとふとしたきっかけで話題が広がる —活躍の分野が違う人々が集い、様々なテーマが生まれ、広がり、その場でそれは終わることなく、彼らの本拠地に分散し、再び語られ広がっていきます。カフェとはそんな文化的ノード(接点)といえるでしょう。
地下の活版工房から会場を7階に移してのサテライト展示とワークショップ。その最後に行われたカフェトークは、より多くの人に活版印刷に親しみ楽しんで貰いたいという思いから工房をとび出した、smt活版印刷の新たな心意気も添えた、おいしいお話と、おいしいカフェのひとときでした。
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作画:高島万貴子