学生時代

きっかけ

スタンス

学生へのエール





学生へのエール

―― 学生会議:わかりました。最後に建築家になりたい全国の学生諸君にエールのようなものを頂きたいのですが。

学生たちと接していろんな学生がいて千差万別なのですが、みんなそれぞれ面白いものをもっていると思っていて教師はそれをつぶさないよう気をつけなければと思っています(笑)。     

ところで、ある種の構想力みたいなもの・面白いことを構想したいという気持ちがないと、建築的な表現ができないのかなという感じはします。だから、敏感な「反応」、この部屋に入ってきた瞬間に「なんだ、この部屋は」とか、人に会ったら「こいつはどういう経歴をしてきているのだ」とかね、そういう言葉になるとかならないとかは別として、敏感に「反応」するということが重要で、そのことは空間に対してクリティークしているわけで、同時にそれに対立する考えを思い浮かばせるわけだから、連想される構想を持ちえてほしいわけです。そういう反応がいいか悪いかということが自分で物を作っていくときの大きなきっかけになるのではないのかと。だから「これもよいのですけど、あっちもよいのです」という感じだと、なかなか作っていけない(構想していけない)のではないのかなという気がします。     

面白いことやっている連中はそういう勘がいいのではないのかなと思います。別にそれは「特別な行動をしなきゃいかん」とかいうことではなくて、その人が持っている感覚みたいなものを研ぎ澄ますことが楽しければ、やっていけると思っていいのではないのかな。やはり「そういうこと苦手だよ」と言う人は創作的なことはやめたほうがいいのかもしれないね(笑)。空間を作るということは、楽しいことだから。やっぱり、楽しければよいが、苦痛だと思ったらやめたほうがいい。本当に楽しくできたらより楽しくなると思います。基本的に評価してもらえない部分とかいろいろあると思う。でも楽しければ長続きすると思うから、せいぜい楽しんでほしい。     

―― 学生会議:どうもありがとうございました。 




(2003年6月6日 東北大学工学部会議室にて)
文責:仙台建築都市学生会議