September 08, 2003

第一回ブレストまとめ

お待たせしました。第一回ブレストのまとめです。長いです。
のちほどホワイトボードの図の方もアップする予定です。
この中で、実行できそうなアイデアにかんして、ピックアップしていく予定です。

江川活字製造所アーカイブプロジェクト 第一回ブレスト

●日時:2003.9.3(水)17:00〜 smt 地下一階活版部屋にて
●所要時間:二時間
●参加者:笹木さん、斉田さん、原田さん(途中で退席)、庄子

内容(予定)
1. 活動報告、今回の趣旨の説明(庄子)
2. ブレーンストーミング(全員)
3. 簡単なまとめ・今後のスケジュールの確認

内容(詳細)
1. 活動報告、今回の趣旨の説明
○活動報告
weblog形式のプロジェクト進行の補助ツールは、ほぼ完成。ここでプロジェクトに必要な基礎知識を共有するために、ネタだしを行っている。先日(8月9日、10日)にsmtで行われた活版ワークショップの折にこの企画についてのお話をして、興味をもっていただいた方にメンバーに加わっていただいた(原田さん、井上さん)。8月19日には笹木さんと庄子で済谷川さんのお宅を訪ねたが、済谷川さんご一家にも諸事情があって、当初の予定どおり聞き取りを行えていない。今後9月〜12月に本格的な活動を行って、来年1月には完成とまではいかなくても、デジタル・アーカイブとして形が見えるところまでもっていきたい。
○今回の趣旨の説明
できるできないにとらわれずに一度夢を大きくふくらませてみて今後の活動のヒントを見つける。新しいメンバーに大体の流れを理解していただくとともに、積極的に企画案をだしてもらえるような場の設定。

2. ブレーンストーミング
以下に時系列、箇条書きでまとめますが、実際はホワイトボードに書かれたものを見ていく方がより視覚的で把握しやすいので、FTPが使えるようになり次第、写真なり図なりをweblogにアップします。

●媒体
・媒体はデジタル・アーカイブで決定?(原田/以下敬称略)
・smtの予算上、形で残せる物としては実際はデジタル・アーカイブしか選択の余地はないのだが、媒体のみではなく活動といったこともあわせて今回のブレストでは、活字、仙台、といったキーワードで何ができるか考えてみたい。(庄子)
・smtのほかのアーカイブ事業とのからみもある。実際、smtではまずデジタル・アーカイブありき。デジタル・アーカイブ用にデータを作成し他の媒体に転用する、という前提がある。これは館の方針になっている。smtでは江川活字のプロジェクト以外にもアーカイブの企画はいくつか出ているので、そろそろアーカイブ事業をどのように行っていくか、早いところ考えなければならないという話は先日の学芸会でも出たところ。(笹木)

●軸
・コンテンツの軸になるものは何かあるのか?(原田)
・weblogにも載せているが、便宜的に、江川活字製造所の人、物、まち、ということを考えている。
このキーワードにあわせて、例えば人では聞き取りを、物では物品の記録保存を、まちでは仙台という街との関わりを見つけていく、という考え方をしている。(庄子)

●江川さんの物品
・設備や物の保存はどうするのか。(斉田)
・できるできないを別として、考えられるパターンは、
1. あの場所で全保存
2. 他の場所で全保存
3. 他の場所で一部保存
4. 全廃棄
だが、おそらく、1と2は無理だろう。3なら可能かもしれない。ただ、廃棄だけでもお金がかかるものを、たとえばsmtが譲り受けるとしても、活用できなければその廃棄分のお金をsmtが丸ごと抱え込むことになるし……。そのほか、例えば母型だけをsmtにもらってきて、江川活字製造所寄贈という形でもらってきて飾っておくことは可能だが……。恩返しとしてできる範囲のことはしたいが、例えば長岡造形大学の小泉先生が江川活字を保存したいということで動いて、朗文堂の片塩さんらとお話したところによると、江川活字製造所の活字は母型は岩田母型に注文していて、活字自体はオリジナルではないので、物品としての価値はうすいとのこと。東京の活字のオーソリティーが興味を示さないのはそういう理由がある。ただ、この規模でこういった形の活字販売鋳造所は初めてという話を小泉先生がされていたので、システムとしては価値があるのだと思う。(笹木)
・物品としての価値はそういうことだから、記録の際も物品をシステムから切り離して、この活字がとかこの機械がといった解説をくわえるような、図鑑的なつくりはあまり意味のないことだし、それはたとえば東京のメーカーだとかがやればいいことのように思う。あくまで、江川活字製造所が仙台にあってどのような意味をもっていたかを記録していく方に重点をおきたい。(庄子)
○軸として
コンテンツ←→記録

・物品の活用といったことで何かアイデアはあるか。(庄子)
・smtに鋳造機をいただいてきて、江川活字の方にその鋳造機にまつわるお話を、実際に物を見ながら聞けるような企画をたてる。江川活字に限らず、仙台の活字まわりのスペシャリストを呼んで、いろいろお話をきけるといい。たとえばハリウコミュニケーションズ(原田さん所属の印刷会社)の会長。活字や造本などについて、面白い話を聞けると思う。活版ワークショップにそのような要素を入れていく。(原田)
・ワークショップなどで、こまめにファンを増やしていくことが大事。活字を使うことにあまりこだわり過ぎず、間口の広い企画をたてていくといいと思う。smt地下に足を運んでもらう機会を増やして、活字に、まずは環境だけでも触れてもらう。(庄子)
・和とじ本をつくるワークショップなどどうか。(原田)
・活字は手段であっていいのだと思う。先日、銀座のエルメスで行われていた中川幸夫さん(生け花)のインスタレーションを見てきた。ワンフロアに大量のラベンダーのポプリを敷き詰めて、面白い空間構成になっていた。極端な話、作家さんにインスタレーションで使ってもらうといった話もありだと思う。結果、活字や江川活字製造所に興味を持ってもらえるなら。(庄子)

●smt活版まわりの事業展開
○活版ワークショップ

○活版ノウハウ映像

○江川映像(鋳造機の動き)

○現行DTPシステム

上は押さえるべき。全体を考えた上で江川さんのコンテンツをつくっていかないと、そこだけ浮いてしまう。(笹木)
・活版ノウハウ映像関連で。smtの前の活版担当学芸員の佐藤さんが、職人を養成しようとしていた。完璧には無理でも、組版、印刷くらいを自力でできるように鍛える話はあった。(笹木)
・鋳造機は動くのか。(斉田)
・動かない。今年からプロパンから天然ガスに移行しているのだが、江川さんの鋳造機はプロパン対応だから。(庄子)
・プロパンガスをどこからか運んでくれば動かせるかも。(笹木)
・weblogにも書いたように、今鋳造機が動いている映像があるかもしれないのはNHK。(庄子)
・NHKのは、お金がかかるし権利問題が絡んで使いづらい映像だと思うので、あきらめた方がよいかも。(笹木)

●江川のコンテンツに関して今できること
○仙台で活版印刷に携わっていたところをリストアップ
→江川VS江川以外のマップ
○聞き取り候補
済谷川ご一家(諸事情により保留)
ハリウコミュニケーションズ会長さん
印刷工業組合専務理事
○江川さんのおとくいさんをリストアップ
→おとくいさんの声を集める(江川がなくなって……)
参考:山形印刷さんが江川活字のおとくいさんだった
○インクや紙など活字以外の取扱い品のリストアップ
→希望者に配付は不可(このあたりの事情については、笹木さん補足お願いします。)

・先日の活版ワークショップに、以前smtにインターンとしてきていて現在東京の大日本印刷で活字の整理にあたられている方がいらしてたが、彼女に頼んで大日本の活版印刷のシステムを見せてもらうとか……。その方からの情報で近々字游工房(ヒラギノをつくったところ)で見学会があるらしい。(笹木)
・江川さん以外のシステムを比較対象として見ておくのはいいかも。どういう整理のしかたをしているか。(庄子)

●どういうところをコンテンツにおとしていくか
・江川活字さんにまつわるお話を資料として集めていくこと、それからあの空間の面白さを伝えること、その二点をやりたい。ただ、空間については、どういうところが面白いんだろうか……うまく説明ができない。(庄子)
・棚があって物が大量に並んでいるということでは、システムは図書館に似ている。(笹木)

・仙台独自のということであれば、地震にまつわることをコンテンツにおとしていくとか。建物の特徴を集めていく。(地震がきても平気なようにした部分。)(笹木)
・活版印刷が業界のなかで古い技術になりはじめて次への転換をはかりはじめているときに、宮城県沖地震がおきた。ここで被害を受けて、活版印刷を捨ててオフセットに完全に切り替えたところもあれば、活字にこだわった会社もあった。宮城県ではこの地震が大きなターニングポイントになっている。(庄子)
・そのときの写真はないか。(斉田)
・宮城の印刷史にそんな写真があったはず。(庄子)
・母型をおいてある部屋は、完璧な耐震構造になっている。耐震構造について、専門家に見てもらうとか。(庄子)
・仙台建築都市学生会議の学生さんにあたってみては。(斉田)

・インターフェイスは。人物の相関図や、建物の平面図から、いろいろな関係性が見えるようなものだといい。図面をひける人がいれば。あとは活字の配置をキー配列とからめるとか。(庄子)
・こういうのをやっているインターフェイスや情報デザインの専門家はいるのだろうか。(笹木)
・あと3、4年したらできるようになっている予定です。(斉田)
・ほんとうにここはお金をはらって専門家に入ってもらってもいい部分。そういう人を探す必要がある。(庄子)


●今後メンバーでほしい人
○建築オタク(耐震)
○文字おこし要員
○デジタルアーカイブオタク
○情報デザインオタク
(自分がなる!)
(庄子の知り合い関係)
○堀井さん(映像)


※原田さん、斉田さんが時間切れで退席したため、
3. 簡単なまとめ・今後のスケジュールの確認
は行わず。

こんなところでしょうか。
補足、修正等ありましたら、お知らせください。

Posted by wadm at 12:55 AM

June 25, 2003

smtアーカイブ

江川活字製造所の記録はsmtのアーカイブになります。
記録の成果物はsmtに保存され、
制作されたコンテンツはsmtから発信されます。

Posted by wadm at 01:31 AM

プロジェクトの定義

江川活字製造所というお店の記録をとり、
その記録の成果物をもとに、
広く一般に公開できるコンテンツづくりをします。

Posted by wadm at 01:30 AM