July 16, 2003

このweblog説明書

このweblog説明書をのせておきます。
これはURLをお渡しする際に読んでいただくものとして書きました。

「江川活字製造所アーカイブプロジェクト」
 「江川活字製造所アーカイブプロジェクト」は、2003年3月に閉店した仙台市内の鉛活字鋳造・販売店、「江川活字製造所」の調査を行い、その記録をもとにデジタル・アーカイブを制作するプロジェクトです。
 「江川活字製造所」は、明治26(1893)年、東京の「江川活版製造所」の仙台支店として営業を始め、昭和20(1945)年に濟谷川松榮さんがこれを引き継ぎ独立開業、仙台空襲と宮城県沖地震という大事件を経験し、活版印刷からオフセット印刷へという技術革新の流れの中、東北で最後の活字屋になるまでねばりづよく営業を続けましたが、時代の趨勢には逆らえず2003年3月をもって閉店となりました。
 小さな敷地の中に活字鋳造から印刷までの設備をもち、活字母型の鋳造を除く活版印刷の全ての過程を見ることができるこの店を、ハード面・ソフト面から記録することにより、活版印刷という死につつある技術について、また活版印刷システムと現行の印刷をめぐるシステムとの接点について考察し、また街のいちノードとして各時代でこの店が果たしていた役割を記述することにより、仙台という街のひとつの側面を発見することができるだろうと考えています。

smtのアーカイブを考える
 「江川活字製造所アーカイブプロジェクト」の裏テーマとして、smtのアーカイブについて考えるひとつの場にしたい、ということを考えています。smtが地域文化の情報のプラットフォームとなるような仕組み─例えば地域文化の情報収集、コンテンツ制作、情報発信の支援といった─が、smtの今後の事業計画に入ってくるとして(もちろんそれ以外のアーカイブの形もありえます)、今回のプロジェクトはその実験台として、コンテンツの出来不出来だけではなく、その過程が重要になるのではないかと考えています。

補助ツールとしてのweblog
 このプロジェクトの補助ツールとして、weblogのページを立ち上げます。ポストされた記事が時系列に並び、各記事にはコメントがつけられます。過去の記事とコメントはすべてデータベース化され、カテゴリー分けされます。このプロジェクトの進行状況をお知らせし、内容をオープンにし進行をスムーズにする役割と、上にあげた裏テーマの部分について考えを深める場としての役割があります。システムとして不備も多いかと思いますが、使いながら改良していく方針です。江川活字製造所や印刷の話題、アーカイブの方法論のような中心になる話題から、周辺の話題まで「これ」と思った話題にコメントをいただければ幸いです。
 なお、このweblogはインターネット上にはあげますが、基本的にクローズドの運営です。URLをお教えした方のみの閲覧となります。

Posted by wadm at July 16, 2003 12:17 AM
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