June 26, 2003

活字って?

ところで、
一般に向けてコンテンツを公開するときに、
そもそも『活字ってなに?』という問いにまず答える必要がありますね。
ちょっと辞書を調べてみましょう。

『日本語大辞典』(講談社)より
1 活版印刷に用いる文字を左右反対に浮き彫りにした角柱。活字合金を母型に流し込んで鋳造する。種々の書体があり、大きさの規格として号数とポイントがある。printing type
数え方 一本。
2 活字で印刷した文字。印刷物。printed matter

『活字離れ』なんていう言葉でなれ親しんでいるのは2のほうでしょうね。
しかし『離れ』たといっても、日本で本格的に活版印刷事業が始まるのは明治の本木昌造さん以降なので、
(それ以前はつくって出版はしていても技術として未完成)
実はそれから150年もたってはいないのですー。

このへん上の説明ではおぎないきれない部分ですよね。
当然のように活字、活字というけれども、
日本においてはそう古い技術ではないということ。
(まあ、150年をどうとらえるかにもよりますが…)

ちょっと考えるとあーそうか!!と気づくことですが、
活字の母型をアルファベット26文字×2(大文字と小文字)つくればすむヨーロッパと、漢字とひらがなとカタカナぶん大量につくらなければいけない日本とでは、活版印刷事業にかける労力がまるで違う。ので、活版印刷事業が軌道に乗るまでにはアルファベットの文化圏では考えられないむちゃくちゃな苦労があった。

江川活字製造所その他、日本語の活版印刷の設備を前にくらくらしてしまう人がいるとして、それはきっと私たちが普段使っている日本語のシステムの不思議さが大量の活字という目に見える形になって、圧倒的な物量でせまってくるからではないでしょうか。

しかし、その物量はいま、デジタルデータとして目には見えないものになっています。

Posted by wadm at June 26, 2003 09:52 PM
コメント

ここで
活字movable type
の話題を扱っていることと、
このweblogのシステムの名前が
MOVABLE TYPE
なのは、なにかすてきなご縁でしょうか。

Posted by: kazy at August 8, 2003 08:34 PM